二子玉ゑ

二子玉川周辺をニュートラルに知ろう

丸正浴場の向かいにあるコインランドリーとおばあちゃんの話

散歩していてたら煙突が見えた。時計を見て時間を確認する。最低でも私は1時間は銭湯に滞在したい。

現在は時間に余裕があるような無いような生活を送っているけど、今日は銭湯に入りたい。時間はまだ14時45分。銭湯の開店時間は15時が相場だ。

いい時間だ。少しだけ待つか。

 

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現地はここらへんです 

二子玉川駅からは玉堤通りを東名高速道路方面へ歩く。都道11号線との二股にぶつかったら都道11号線沿いへ歩く。最寄り駅は小田急喜多見駅だ。

 

 

コインランドリーと銭湯の組み合わせ 

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コインランドリーと銭湯。この組み合わせは必ずといっていいほど見る。それは銭湯に入っている間に洗濯を済ませようっていう銭湯経営者の計らいなのか、それとも銭湯利用者からの要望があったのか。実際のところはわからないけど、この組み合わせは昔からそうだ。

コインランドリーに椅子は付き物だ。それと、何年前かのジャンプがあると暇つぶしには最高。

銭湯が開くまで10分程だし、コインランドリーで待たせてもらおう。 

 

 

銭湯の好きなところ

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私は銭湯が好きだ。

大きな浴槽で足を伸ばせるのが銭湯の好きな理由の一番だ。昨今は銭湯ブームもあり、インターネットでは銭湯ネタが豊富。特に銭湯神ことヨッピーさんの交互浴の記事を読んだ人は多くいると思う。私も交互浴支持者だ。

 

身体を芯まで暖めてからの水風呂。「ととのったー」と、あの感覚。やったことないけど、麻薬みたいなものなのかな。私はキメたことはないけど、整う感覚に近いものなのかな。それくらい交互浴は気持ちの良い入浴法だ。水風呂は中毒症状があるよ。

 

大きな浴槽で風呂に浸かれること、交互浴をすること。これだけで充分幸せを感じれる。それくらい銭湯への思いはある。

 

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おばあちゃん現れる

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私は写真奥側のベンチに腰掛けた。本を読んでシャッターが開くのを待機する。

 

しばらくすると、80歳を超えているであろうおばあちゃん2人組がコインランドリーに入ってきた。そして、写真手前のベンチに腰掛けた。

二人とも似たような服装だ。ユニクロのウルトラライトダウン(赤紫色と黒色)、スラックスズボン(灰色とベージュ)、靴ひもが付いていない黒いスニーカー、暖かそうな毛糸の帽子(紫色と灰色)。パンパンに膨らんだ紀伊国屋のエコバッグを抱えている。あの中にはあめ玉と着替えが入っているんだろうな。

 

 

銭湯の利用客で間違いない。そして常連だ。

 

 

会釈をする。そうしたら2人とも会釈を返してくれた。そして私は再び、本を読む。

しかし、2人の談笑している様子が視界に入るし、距離が近いので話し声も丸聞こえだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「◯◯さんおそいねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでんじゃないのー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑った。

 

第一声でボケをかますおばあちゃん。セオリーがあるなら漫才師は挨拶から入るもんだけど、いきなりぶち込まれてきたのでつい声を出して笑ってしまった。もうおばあちゃんのボケをかますって文章的にも混乱を招いてしまうが、おばあちゃんがボケたのである。

 

 

私の笑い声が聞こえたようで、お互いに目が合う。

念のため、これは恋愛の話ではない。

 

 

 

 

 

「ひょっとしてお風呂ですか?」

 

 

ほぼ間違いないのに、「ひょっとして」とか使うところが白々しい。けど、ひょっとするから私は使ったのだ。

 

 

 

「そうだよーお兄ちゃんも入るのかい?」

 

 

 

それから銭湯の料金の話や、最近は銭湯に若い人も増えてきたけどお兄ちゃんみたいに銭湯が開くのを待っている人は初めて見たとか、5分くらい喋った。

 

 

 

するとおばあちゃんが気を良くしたのだろう。

 

 

 

 

 

「兄ちゃんこれあげる」

 

 

受け取っても使えないのに

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入浴券だ。

写真の左上に記載されている『転売・譲渡不可』の文字。目を通したけど、これは受け取れないな。

 

おばあちゃんに返そうとするが、ショッピングバッグを盾に断固として受け取らない。なんだその守備力は。というよりも盾なのか武器なのかわからないくらいバッグを振り回し始めた。

 

80歳超えはどんな物でも武器や防具に変えてしまうことが出来るのか。それが世田谷マダムの実力なのか。

 

 

「いらないいらないいらないいらないいらないらないよー!」「シーだよ、シー!!」 

 

 

このやりとりを続けても埒があかないと思い、諦めた。

 

 

おばあちゃんは、 

「知らんぷりして出せばいい、460円浮いたお金でビール飲めるよ」

 

 

ガハハと、笑っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入れ歯落ちるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苦笑いで返すと、銭湯のシャッターが開いた。おばあちゃん2人は風呂に行ってしまった。 

 

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区が発行しているものは転売・譲渡禁止が付き物だし、生活福祉課が担当ってことは高齢者や生活支援を目的としたものなんだって予想がつく。

※実際に調べたらそうでした。入浴券の支給 | 世田谷区

 

 

困った。風呂上がりに返したいけど、おばあちゃんがいつ風呂からあがるかわからない。

 

番台に依頼して返してもらうことも考えたけど、おそらくおばあちゃん2人組は常連だし後々のことで面倒になってしまったら申し訳ないし。

 

 

私はちょうど本を持っていた。

 

 

ちょうど持っていた本に栞が付いてなかったのでその場で栞に変化した。

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入浴券は使うことが出来ないので、読んでいた本にちょうど良かった。

 

 

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おばあちゃんの暖かさが身に染みた。

 

これから交互浴をするというのに、優しい気持ちでほかほかしてしまった。整いはしないけど、充分なリラクゼーション効果だ。

 

これは恋愛の話ではない。おばあちゃんとコインランドリーと銭湯の話だ。