多摩川で錦鯉を見つけると膝を痛める
そいつを見つけた瞬間は驚きで、固まった。
多摩川を散歩する回数が他の人よりも、圧倒的に多い私が驚いたっていうことは相当珍しいことだ。
そいつを見つけて驚いた後は、
「近くで見てみたい!」
いてもたってもいられない私は走った。けど、膝が痛いからすぐに走るのをやめた。ここまでは順調な青い春のような小説だったが、ここでおしまいだ。
それは膝が痛いからだ。
現実はそんなものだ。痛みには勝てないのだ。ということは、そいつよりも痛みを優先したことになる。
天秤にかけてしまうと、私の思いとのバランスがとれていない。
これは困った。
でも見たいことには変わりないのでやや早足で現場近くに向かう。
それぐらいの気持ちがあった、そいつへの記事。
現地はここらへんです
現地が川の中になっているが、しっかりと歩ける場所だ。
近くで見たいのだ
多摩川の中州だ。ようやくここまで来れた。が、走った時に膝を負傷したことで、河原の石が直に響く。それでも私は歩みを止めない。
ここらへんだったはず。
もうすぐそいつの近くまで行ける。橋の上から見つけた時はそいつが息をしているのかわからなかった。動きがなかったのだ。もしかしたら死んでいるのかもしれない。もしそうだったら、供養するよ。
いた、すぐに遠のいた
あ、逃げられた。生きとるやんけ。
(カメラのシャッターは適当で、肉眼で探していた写真)
いたー!
反対側の岸に行ってしまった。それはないよー!
せっかく膝を痛めて河原まで来たのに、せめて肉眼で肉眼でー!
肉の眼で!ニクノガン!
ニ・ク・ノ・ガ・ン!!
捉えたー!もう私は満足だ。
魚の気持ちを考えてみた
少し落ち着いてから(私が)考えた。魚の気持ちを。
これは本当に迷惑極まりないことだ。体重80kg程の人間がのっしのっしと近づいてくる。自分のことめっちゃ見てくる。口を開けてアホ面で目を輝かせている。
気持ち悪いなー、なんだよー、とりあえず離れるか。
そう、魚からも私は魚のようにに見えているはずだ。自分の行動を振り返ればかなりのアホ面だ。
それでも諦めきれなくて、大急ぎでスマホカメラをフルにアップしたのがこちら。
よく撮れてる。
膝の痛みの行方
多摩川では珍しい、赤と白の錦鯉だ。
私の記憶が知る限りだと多摩川で見るのは初めてだ。多摩川ではドブ色の鯉しか見たことがない私。はしゃいだ。喜んだ。
この喜びを味わっている間は膝の痛みが無かった。そう、アドレナリンがどぴゅどぴゅと溢れ出していたのだ。
錦鯉に会えたことで膝の痛みはこの間に消失していた。
ようやく、ここで私の身体と心のバランスが保たれた。
多摩川で錦鯉に出会えたことで膝の痛みを消してくれた。
きっと補助系魚類だ
美しい。
膝の痛みを消してくれた錦鯉。
もしもダーマ神殿に行くことになれば、僧侶にさせよう。
そして、回復魔法を覚えさせて魔法使いに転職させるんだ。
僧侶と魔法使いを極めたら、賢者になるんだ。
そして、フバーハとベホマラーを駆使してもらうんだ。私が好きな補助系呪文だ。
いつか、ゲントの村で会おう。
私は主人公のつもりだ。