吉沢橋のお澄ましな猫
猫を見つけて、人目を気にして、大丈夫そうならスマホカメラを起動させる。
しばらく猫と目が合って逃げなければカメラで撮影をする。驚かしたら可愛そうだから。猫はいいよー。
現地はここらへんです
吉沢橋は関東大震災直後の1924年に玉電・砧線の開通に合わせて掛けられた鉄道橋。
砧線は交通手段としてだけではなく、多摩川の砂利を運ぶためのにも活用されていた。
その後、車社会となった経緯もあり、玉電の路面電車は世田谷線を除き廃止された。
廃止後は道路橋とされて今日に至る。
野川の河川改修と合わせて上流の新吉沢橋と吉沢橋を統合し、新しい吉沢橋に架け替えた。
※吉沢橋の石碑より引用
吉沢橋の近くの猫
この猫は人慣れしている猫。
その場から動かない。目の前を通過する私の足下を首だけ動かして追う。
猫の前を通過して振り返ってから猫を凝視する。
視線に気付いたのか
ジーッと猫を見てたら、向こうから寄ってきた。
私と目は合わせてこない。植樹に頬擦りしながらこちらへやってくる。ひょっとしてメス猫なのかな。私をオスとして見ているのか。その仕草はアピールしているのか。にゃんにゃんアピールをしてくるのか。
女性らしい仕草で猛烈アピール
そんなところで立ち止まるのはひょっとしてあれか。
花の匂いを嗅ぐところを私に見せて、花の匂いを嗅ぐ私は女性っぽいでしょアピールをする再現ドラマでよく見るやつだな。再現ドラマでは麦わら帽子を被ったワンピースを着た女性が、夏の日差しが差し込む中の所作だな。
しかし、そちらは猫で私はヒトだ。そもそもだ。その匂いを嗅いでいるのは花ではない。葉っぱだ。葉っぱの類で匂うのはミントかパクチーだ。
大人なお澄まし感
全くこちらに関心がないかのように、そっぽを向きながら歩み寄ってくる。
思わせぶりな猫だ。私が猫を好きなことは最初の熱視線で気付いていたのか。そこまでお見通しの猫なんだな。やり手の猫だ。さては遊び人だな。
私から声を掛けるのを待っているかのような、待ちの姿勢がなんとも大人びている。余裕だ。余裕な猫だ。
着やせタイプの猫だった
太っているな。太っている猫だ。デブ猫だ。余裕のデブ猫か。やり手の余裕のデブ猫だ。お見通しのやり手の余裕のデブ猫。
正面からはそんな風には見えなかったけど、着やせタイプの猫だな。
ぽっちゃり系もジャンルとして確立する時代。深田恭子が2017年の美しい顔に選ばれたニュースがある。私のイメージではぽっちゃりタレントは深田恭子さんか、磯山さやかさんだ。
なので、デブ猫の立ち居振る舞いは正しい。美しい顔は無条件で良い。何の話をしているんだ。
デブ猫だけど後ろ姿も素敵だ。
また素敵な猫と出会った。野川沿いはデブ猫の散歩コースなのか。やはりセンスのあるデブ猫だ。
今更だけど、メス猫なのかな。
丸まっている姿が一番好きだ。この猫とは最後の最後まで目が合うことはなかった。